1970年代
三代目 歌川広重「永代橋之真景」(さんだいめ うたがわひろしげ えいだいきょうのしんけい)
この年の国際文通週間記念切手には、1970年のものと同じく三代目歌川広重の作品が採用されています。
こちらの元絵は横長三面の作品となっているのですが、郵便集配人や日本郵船の船がさり気なく描かれている真ん中部分の絵を切り取って切手のデザインにしてあります。
豊かな色彩と版画ならではのくっきりとした線使いが今見てもモダンな雰囲気を感じさせますね。
古切手としての価値は元の額面に少し上乗せしたぐらいの価格になりますが、1970年・1971年・1972年の『国際文通週間・明治文明開化期の錦絵シリーズ』三種が揃っている場合は買取額が大幅にアップすることがあります。
組み合わせや消印によって相場が大きく変わってくるのも古切手買い取りの醍醐味です。
いざ調べてみたら、とても価値のあるという切手という可能性があるのも楽しみなひとつですね。
中村岳陵「気球揚がる」(なかむらがくりょう ききゅうあがる)
オリジナルの絵画にでは、画面の上方に気球が描かれていますが、切手ではその部分はトリミングされています。
美人画切手としてこの絵画が選ばれたということでもあると思います。
どちらの女性も三代目市川左団次の娘、荒川朝子がモデルをしたそうです。
1950年の第6回日展に出品された絵画で、国立近代美術館の所蔵品です。
美品は高価な価格で買取されることもあり、保存状態で相場も振れ幅が大きいため、鑑定を求めた方がよい芸術性の高い切手です。
状態が気になる場合は今一度チェックしてみると良いでしょう。
ドイツの刺繍切手(どいつのししゅうきって)
ドイツのプラウエンという地域の伝統的なレースをモチーフとした切手です。
4種完のシリーズで、これらの切手が発行されたのは旧東ドイツの時代になります。
他のヨーロッパ諸国と比べると切手収集が下火となった日本では、外国切手だとなおさら高く買取ってもらうのは難しいようです。
刺繍切手というまとまったジャンルでもあるので、売る場合はしっかりお店選びをしないと損をしてしまう可能性もありますので、しっかりとしたお店選びがポイントになってくるでしょう。
オオパンダ(おおぱんだ)
オオパンダ切手は1963年発行の1次、1973年発行の2次に別れ、1次と2次をあわせ6種揃っているものが完品と呼ばれています。
需要が高くバラでも買取してもらえますが、シートで6種完品なら買取相場は高くなります。
6種完のオオパンダ2次切手があるなら、完品で買取に出すほうがよいです。
オオパンダ切手は文革切手の1種で、中国人バイヤーの買戻しを受けて相場も高い状態になっています。
できるだけ高く買い取ってもらえるよう適切な買取業者の選定が重要となってくるでしょう。
徐悲鴻 奔馬(じょひこう ほんば)
相場価格 | 10,000〜49,999円 | |
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切手額面 | 4分〜70分(1円〜49円) | |
デザイン | 白、 動物 | |
発行年度 | 1978年(1970年代) |
中国の近代画家徐悲鴻の作品「奔馬」を題材とした切手です。
1978年に発行されたこちらの中国切手は、小型シートと特別切手が発行されています。
奔馬小型シートは、中国近代画家の巨匠と言われる徐悲鴻の名画、「奔馬」が図案として採用されており、躍動感ある水墨画が素晴らしく、観賞用としても素晴らしい中国切手です。
徐悲鴻の手掛けた馬の絵はハガキの図案にも採用され、今も人気がある画家です。
当時の額面としても高額な小型シートは今でも価値の高いものとなっています。
時期によって切手の相場が大きく変化することは今の所ないようです。
しかしコンディションによっても買取価格は変わってきますので、いずれ売ることを考慮して、保存・管理には気をつけたいところです。
価値が知りたいときは、やはりプロの鑑定士に依頼するのがベストでしょう。
「彦根屏風」( ひこねびょうぶ)
江戸時代初期に描かれた風俗画【彦根屏風】。
切手には6曲屏風の内の2曲がモチーフとして使われています。
京都の遊女たちが高い技術をもって金屏風の上に描かれており、その画風から狩野派の絵師の作品だとされていますがはっきりした作者は解っていません。
こちらの切手はデザインの都合上2枚1セットで買取市場に出回ることが多く、片面のみの場合は買い取り相場が下がることがあります。
シートのままで売りに出す事が高額買取のポイントで、シミやヤケに気をつける保管も重要です。