年代別!切手の歴史と価値(1940年代)
時代背景
第二次世界大戦末期から終戦、戦後…と言う激動の時代にも様々な切手が発行されてきました。
敗色濃厚になっていくにつれて印刷が粗雑になっていったり、戦時中に省かれていた目打が戦後に復活するなど、当時の国の経済状況や思想を読み取ることができる切手には、歴史的資料としての価値も感じさせられます。
敗戦から戦後復興と言う一連のドラマを反映するかのように、切手にも技術向上によるクオリティの改善や『平和』を前面に押し出したデザインなどが見て取れるようになっていきました。
なお戦時中の切手は『大日本帝国』の文字と菊紋が特徴でしたが、こうした国家主義的な表記も終戦後には取り除かれることとなりました。
この年代を代表する切手
軍事費募金のための寄附金が付いた切手で、2+1銭と4+2銭の2種の額面が発行されました。
戦後の「日本国憲法」施行記念の切手。
この頃に発行された切手にはまだ菊紋が残っていますが、1947年を最後に菊紋の印刷は廃止されました。
地方切手展発の小型シート切手です。
法隆寺五重塔がモチーフとなっています。
現在美品の状態で残っているものが非常にすくないため、買取価格が1万円を超えることもあるプレミア切手の一つです。
現代にまで続く人気切手シリーズ「切手趣味週間記念切手」第一弾の切手です。
葛飾北斎の『山下白雨』の絵が採用されている小型シートです。
『プレミア切手の代表格』と言えるほど有名な『菱川師宣の見返り美人』切手。
非常に珍しい縦長デザインが特徴で、その美しい見た目は現在も変わらず愛されています。
・趣味週間 月に雁(1949/11/1発行)
『見返り美人』に並ぶプレミア切手の代表的存在です。
実は現在の平均買取額は見返り美人よりもこちらの方が高く、買い取り市場でも非常に人気の切手となっています。
軍人や神社、軍用機などの図柄が採用されており、軍国主義・神道信仰などのカラーが強い図柄が揃っています。
第一次昭和切手に比べてプロパガンダ的な内容が色濃く出ており、日米戦の苛烈さがよくわかる図柄が多く発行されています。
終戦間際ということでデザインが粗雑に、さらに目打も廃止され簡素化が目立つ見た目となっています。
製造業や農業などに従事する人々を描いた、戦後復興のきざしを感じさせる切手です。
現在、「電気炉」や「SL機関車製造」は単片でも数千円以上の価値がつく高額切手となっています。
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