1960年代
第一次国宝シリーズ 秋冬山水図(だいいちじこくほうしりーず しゅうとうさんすいず)
室町時代に活躍した水墨画家・雪舟の代表作『秋冬山水図』からの一枚。
こちらの作品は秋と冬の二幅から成り立っており、切手に採用されたものは冬の山景を見事に表した『冬景山水図』と呼ばれます。
雪深い断崖と山道を歩く人が水墨のみで巧みに表現された傑作です。
この切手が発行されたころの50円切手と言うと現在で言う200円程度の価値になります。
そのため出回った数が少なく、買取価格は他の国宝切手に比べるとやや高め。
美品の場合は切手買取に詳しい専門店で査定してもらうと、価値に見合った買い取り額を提示してもらいやすいです。
保管状態には気を付け、少しでも印象を良くする努力をすることが高額査定のコツになります。
第一次国宝シリーズ 源頼朝像(だいいちじこくほうしりーず みなもとのよりともぞう)
1967年から1969年にかけて発行された第一次国宝シリーズの一枚、京都の神護寺が所有する源頼朝像の切手です。
神護寺には伝源頼朝像・伝平重盛像・伝藤原光能像の『神護寺三像』と呼ばれる絹本著色像があります。
それぞれが国宝に指定されており、切手に採用された源頼朝像は所有先の京都国立博物館または神護寺で定期的に一般公開されています。
こちらは古切手の中では比較的ポピュラーなため買取額はごく平均的な価格になっています。
劣化の有無により買い取り査定額に違いが出てくるので、できるだけ丁寧な保管を心がけ、切手の価値を正確に評価してくれる切手買取専門店へ依頼するようにしましょう。
第一次国宝シリーズ 平治物語絵詞(だいいちじこくほうしりーず へいじものがたりえことば)
平治の乱を舞台にした合戦絵巻『平治物語絵詞』の一遍を切り取った切手。
幽閉された後白河上皇と二条天皇が脱出をはかる様子が描かれている『六波羅行幸巻』の一部が採用されています。
切手に使われているのは、女装して車に乗りこむ二条天皇とそれを追おうとする敵側の武将を描いた緊迫感溢れるシーンです。
現在第一次国宝切手シリーズはどれも比較的低めの売値を推移していますが、全種セットの場合やシートでの売却になると買取価格がアップする傾向にあります。
せっかくの古切手、売るならなるべく価値をわかってくれる人に送り出したいもの。
売却は鑑定士が在籍する切手買取専門店での査定が望ましいでしょう。
切手趣味週間 1960 三十六歌仙絵巻 伊勢(きってしゅみしゅうかん 1960 さんじゅうろっかせんえまき いせ)
歌仙絵の中では現存最古の絵巻とされる『佐竹本三十六歌仙絵巻』の中の一枚が採用された切手です。小倉百人一首19番の「難波潟 みじかき芦の ふしのまも あはでこの世を 過ぐしてよとや」を詠んだ伊勢が描かれており、平安時代の女性歌人らしい優雅さがにじみ出た作品です。実際に切手を見てみると、まるで原版を見ているかのような古さを感じさせる色味に感心させられます。買取相場は額面を考えるとまずまずと言ったところ。売る際は保管方法の良し悪しによって売値が大きく変わるので、お家に売りたい古切手がある際は丁寧な保管が求められます。
切手趣味週間 1964 源氏物語絵巻・宿木(きってしゅみしゅうかん 1964 げんじものがたりえまき やどりぎ)
1964年の切手趣味週間記念切手には、源氏物語絵巻の一遍『宿木 三』の絵柄が用いられました。この作品は源氏物語の主人公である光源氏亡き後の話で、源氏の面影を継ぐ貴公子とされた匂宮とその妻である中の君が描かれています。源氏存命の頃の華やかなストーリーも素晴らしいですが、登場人物の心情や複雑な関係がよりクローズアップされたこれらの作品も非常に味わいがあり良いものです。1950年代以降の記念切手は発行部数が多かったため希少価値がそれほど高いわけではありませんが、美品の場合はなかなかの買取価格が付くことがあります。
第一次国宝シリーズ「広隆寺弥勒菩薩」(だいいちじこくほうしりーず こうりゅうじみろくぼさつ)
京都最古の寺院、広隆寺に収められている『木造弥勒菩薩半跏像(宝冠弥勒)』。
国内で初めて国宝に指定された彫刻で、口元に笑みをたたえながら物思いにふける様子が非常に神秘的に表現されている作品です。
『国宝シリーズ』と呼ばれる切手はそれまでにも多種ありましたが、鮮やかな多色刷りが採用されたのはこの第一次国宝シリーズが初めて。
日本が誇る芸術品の数々を色彩豊かに表した切手は収集家からの人気も高く所持している人も多めです。
そのため買取査定額も少々厳しくなっており、軽微なシミやヒンジ跡なども価値に影響するので、買い取りの前に入念なチェックをしておくことも高額買取アップのコツともいえます。
第一次国宝シリーズ「法隆寺」(だいいちじこくほうしりーず ほうりゅうじ)
世界最古の木造建築である法隆寺を取り上げた切手『第一次国宝シリーズ 法隆寺』。
青空を背景に五重塔と法隆寺金堂が並ぶ、少し珍しい構図の切手になっています。
50円と言う額面のこともあり同シリーズの切手の中では発行部数が比較的少なかったため、他に比べて買取価格がすこし高くなっています。
とは言っても汚れや破れがある並品の場合は相場が大幅に下がってしまうので、少しでも高く売りたい場合はそうした劣化を避ける保管が重要です。
普段のお手入れ次第でキレイな状態に保つことができますので、今日から是非実行してみてください。
歌川広重 「東海道五十三次 蒲原」(うたがわひろしげ とうかいどうごじゅうさんつぎ かんばら)
豪雪に見舞われた静岡・蒲原宿の様子を情景豊かに描いた作品『東海道五十三次 蒲原』の絵が使われた切手です。
1958年・1959年の国際文通週間記念切手も1960年と同じく東海道五十三次がテーマでしたが、60年は前々年・前年に比べて切手の発行部数が非常に少なかったため、現在では希少価値が高い切手になっています。
汚れや折れの無い美品なら1000円以上の買い取り価格が期待できることもありますので、切手買取に持ち込む際は汚れがないか入念にチェックしましょう。
歌川広重 「東海道五十三次 日本橋」(うたがわひろしげ とうかいどうごじゅうさんつぎ にほんばし)
かの歌川広重(安藤広重)が手がけた木版画浮世絵の名作『東海道五十三次』。
1962年の切手に採用された『日本橋 朝之景』の図は参勤交代のための大名行列が江戸を出立していく様子が描かれており、これを起点に53箇所の宿場を経て終着点の京都へと向かいます。
この切手は買取相場額が比較的安定しているため、安心して売りやすいものと言えます。
もちろん保管状態の良し悪しによって買い取ってもらえる値段が変わってきますので、日焼けや折れ・汚れなどにはくれぐれも注意し、丁寧な扱いに気を配ることをお勧めします。
葛飾北斎・富嶽三十六景 神奈川(かつしかほくさい ふがくさんじゅうろっけい かながわ)
富嶽三十六景、ひいては北斎の作品の中でも最も有名とされる作品『神奈川沖浪裏』の図が採用された切手です。
荒波に揉まれる船とその遠くに浮かぶ富士の姿が大胆に描かれた絵は、国内だけでなく世界的にも多く知られています。
誰もが知る非常に人気の作品が使われた切手なだけあってコレクターの間でも所持している人が多く、買い取り相場は控えめな方と言えるでしょう。
ただし残っている郵便印などによっては価値が大幅に跳ね上がる場合があるので、切手の売却を考えている方はしっかりと査定できる切手買取専門店に査定してもらえると安心です。