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葛飾北斎「富嶽三十六景 尾州不二見原」(かつしかほくさい ふがくさんじゅうろっけい びしゅうふじみがはら)
現在の名古屋にあたる富士見ヶ原をモデルにしたと思われる『富嶽三十六景 尾州不二見原』。
樽職人が大樽を作っている様子が描かれており、その樽枠の向こうに富士が見えると言う非常にユニークな構図となっています。
富嶽三十六景には必ず富士山がモチーフとして描かれていますが、こうした北斎らしい柔軟でパロディ要素に富んだ仕掛けが随所に見られます。
2002年に同作品を採用した切手が新たに販売されたためか、少しでも経年劣化や破れがあると切手の買い取り額に大きな影響を及ぼします。
こちらの切手を売りたい場合は保管状態に気をつけて、売る場合もしっかりお店選びをして出来る限り美品の状態での買取を目指しましょう。
三代目 歌川広重「 駅逓寮図」(さんだいめ うたがわひろしげ えきていりょうず)
三代目歌川広重が描いた東京府下名所尽の一枚『四日市駅逓寮』の切手。
現日本橋一丁目にあたる四日市町には「駅逓寮」と呼ばれる今で言う郵便局がありました。
奥には第一国立銀行が建っており、東京を中心に急速に拡大していった文明開化の様子が見て取れる作品となっています。
この切手の価値についてですが、古切手の中では比較的ポピュラーかつ新しい部類に入るもののため買取額は一般的な価格になっています。
湿気の無い場所を選んで保存する等の保存状態に細心の注意をすれば、買い取り査定額に違いが出てくるので、丁寧な保管が高額買い取りのポイントです。
歌川芳邨 「東京鉄道馬車図」(うたがわよしむら とうきょうてつどうばしゃず)
1971年の国際文通週間記念切手に取り上げられたのは伊藤芳邨(歌川芳邨)が手がけた錦絵『東京鉄道馬車図』。
日本初の私鉄と呼ばれた東京馬車鉄道が都を走る様子が詳細に描かれています。
1970年から1972年までの3年間は「明治文明開化機の錦絵」をテーマにモダンな版画画が切手絵に使用されてきました。
こちらの切手を買い取ってもらう際は、美品であることが一番、次にシートであることもしくは他の種類の切手と一緒に買取査定に出すことが、高額買取のコツのひとつと言えるでしょう。
小林古径「髪」(こばやしこけい かみ)
切手趣味週間昭和44年の発行デザインは、美しい長い髪の女性が印象的な小林古径の名画「髪」。
中国の古画に影響を受けた線画の技法が使われていて、淡い背景に力強く繊細な線で描かれています。
また、上半身裸の女性が切手に描かれたことで当時は大きな反響を起こし、注文が殺到したそうです。
奇麗な状態であれば切手を買取ってもらう場合に価値が出てくると言えますので、切手の保存状態により買取価格が大幅に変わることも頭に入れておくと良いでしょう。
慶事用 82円普通切手 扇面に竹文様(けいじよう はちじゅうにえんふつうきって おうぎめんにたけもんよう)
結婚式の招待状を手紙形式で送る際に用いられる切手です。
金色の扇に竹文様が描かれており、おめでたい書状にぴったりのデザインとなっています。
なお慶事用切手には金額ごとにそれぞれ松・竹・梅の吉祥文様が採用されています。
招待状に使うものと言うことで、まとめ買いして大量に余らせてしまうことも多いかと思われる慶事用切手。
中途半端な数で余りがちなため買い取りに出すのをためらわれる方が多いですが、売りたい場合は10枚つづりや50枚に仕分けるとシート単位でなくてもそこそこの買取価格が付くので、業者に査定だけでもお願いしてみましょう
平成7年用年賀「亥クジ付83円」(へいせいななねんようねんが いくじつきはちじゅうさんえん)
お年玉付き年賀はがきのようにくじの番号が切手の上部に書かれています。
私製のハガキでもお年玉くじに参加できる切手で、現在にまで続いている寄付金付きお年玉付き年賀切手シリーズです。
中央には発行された次の年の干支であるイノシシがイラストが描かれています。
大量にある切手を換金してもらう場合でも、コンディションの良し悪しで買取価格に差が出てくるので、保存管理を丁寧にするのも買取のコツといえます。
ハンガリーの刺繍切手(はんがりーのししゅうきって)
ハンガリーの刺繍がデザインされた美しい切手です。
ハンガリーでは画像のもの以外にも実に多くの刺繍切手が発行されている人気のシリーズです。
今のところプレミア切手のように高額で取引されるものではありませんが切手の華やかさに惹かれたコレクターも多くなってきています。
いずれ売ることを検討しているのであれば、相場変動もありますので一度は相談してみる事をおすすめします。
ポーランドオリンピック(ぽーらんどおりんぴっく)
1964年に東京オリンピックの記念にポーランドで発行された切手です。
全部で8種類のシリーズでマラソン、重量挙げ、リレー、ボクシング、サッカー、カヌー、ハイジャンプ、走り高跳びのデザインがあります。
小型シートも同時に発行されています。
形も日本で発行した東京オリンピック記念切手を思わせる正方形です。
日本では滅多に見られないような品ですが高額切手とはなりません。
2020年の東京五輪によってわずかでも脚光を浴びる可能性もあるので、売るならチャンスを待つのも一つの手とも言えます。
取り扱ってくれる買取業者に、一度は相談してみると何かヒントがもらえるかもしれませんね。
愛国切手 4+2銭(あいこくきってよんぷらすにせん)
日本初めて発行された寄付金付き切手は色違いの3種のもので、それぞれに2銭の寄付金がつけられました。
日本アルプスの上空を飛ぶダグラスDC-2型機の絵図に愛国の文字が刻まれています。
この寄付金は軍備を増強するためのものです。
比較的多く出回ったようで高値で買い取ってもらうのは難しいでしょう。
シートなどで所持するものを換金するにしても切手の保存状態は良いものが望まれます。
できるだけ丁寧に扱うことが高額買取へのポイントになるでしょう。