1950年代
歌川広重 「東海道五十三次 桑名」(うたがわひろしげ とうかいどうごじゅうさんつぎ くわな)
『東海道五十三次』の中に出てくる42番めの宿場である桑名。
桑名湊に浮かぶ船と桑名城の対比が、歌川広重ならではの緩急ある筆致で見事に表現されています。
夕焼けを背景に多くの人が乗った船が港に入っていくと言う温かみのある作品です。
こちらの切手の買取相場についてですが、前年に発行された『京師』に比べて価格がかなり上がっています。
バラでの価値もなかなかですが、シートの場合はより買い取り価格がアップします。
美品か並品かは、保管方法の見直しや正しい方法で大きく売値が変わってくるので、クリーニングで出来る限りの状態を維持し、高額買取を目指しましょう。
昭和27年用年賀「翁の面」(しょうわにじゅうななねんようねんがおきなのめん)
相場価格 | 10,000〜49,999円 | |
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切手額面 | 5円(1円〜49円) | |
デザイン | 赤、 その他のモチーフ | |
発行年度 | 1952年(1950年代) |
翁の面が描かれた年賀切手です。
発行された日が年が明けた16日であったため年賀状の切手として使用されることはありませんでした。
20面のシートはプレミア扱いとなっています。
古い切手なので保存状態によって買取価格に幅が出る可能性もありますので、普段の丁寧な扱いが求められます。
シートは高額買取が期待できるものなので、もし売るつもりなら取り扱いと管理には気を付けましょう。
昭和27年用年賀「翁の面」小型シート 「おきなのめん」(しょうわにじゅうななねんようねんがおきなのめん)
相場価格 | 10,000〜49,999円 | |
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切手額面 | 5円(1円〜49円) | |
デザイン | 赤 | |
発行年度 | 1952年(1950年代) |
翁の面が描かれた小型シートの年賀切手です。
普通シートと小型シートの切手が存在し、切り取られた状態では見た目の区別が付きづらいですが紙の漉き目の方向で判断することができます。
カバーの状態では更に判別が難しく、普通シートの銘版付き切手であるか小型シートが発行する前の消印であれば普通シートの切手と判別することができます。
この年代に発行された年賀小型シートは高額で買取されているそうなので、業者によっては一枚からでも高い価格を付けて貰えるかもしれません。
売る売らないにかかわらず、なるべく湿気の無い場所を選んで保存し、状態を維持しておくと良いでしょう。
昭和30年用年賀「加賀起き上り」小型シート 「かがおきあがり」(しょうわさんじゅうねんようねんがかがおきあがり)
石川県の伝統工芸、加賀八幡起上りをモチーフとした小型シート切手です。
西ドイツから輸入したばかりの印刷機を使ったものです。
この切手から以後、日本の切手のは鮮やかになっていき、この時期より火がつく切手ブームを彩ることになります。
現在では切手収集が下火になっているため、相場価格を見ながら下がりきらないうちに売ってしまうのが良いかもしれません。
古い切手なので美品であれば買取する場合に高い価値が出てきますので、日頃から丁寧な扱いで保管すると良いでしょう。
昭和28年用年賀「御所人形」小型シート 「ごしょにんぎょう」(しょうわにじゅうはちねんようねんがごしょにんぎょうこがたしーと)
御所人形が描かれた小型シートの年賀切手です。
この年から年賀切手は年賀状にも使用できるようになりました。
小型シートにはこの年だけタブが2枚付いていて、カバー状態の切手を普通シートか小型シートのどちらか区別をつけるとき、タブと繋がった使用済み切手であれば小型シートの切手と判別することができます。
古い小型シートの切手であるため、保存状態により買取額に多く差が出る場合があります。
意外に買取ってもらう時に高く付く可能性もありますので、お売りになるときは信頼できる鑑定士にお願いして調べてもらうと良いでしょう。
天安門(てんあんもん)
相場価格 | 10,000〜49,999円 | |
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切手額面 | 50円~20万円(1000円〜) | |
デザイン | 建物 | |
発行年度 | 1950年(1950年代) |
中国のシンボルである天安門を描いた普通切手です。
そして中華人民共和国が成立してから初めて発行された普通切手がこのデザインのものとなります。
第1版から第6版までほぼ同じデザインですが、それぞれわずかに違いがあるのがわかります。
額面自体が高額であるものが多く、そういった切手は相応の値段で買取されます。
特に第五版は額面が10万円から20万円までの6種類があり、未使用美品であるなど切手の条件次第では、高額での買取も期待できます。
目利きのできる鑑定士が在籍する、切手買取専門店での査定が望ましいでしょう。
ヘルシンキオリンピック フランス(へるしんきおりんぴっく ふらんす)
1952年ヘルシンキで行われたオリンピックを記念して、フランスより発行された6種完の切手です。
六枚それぞれに水泳、陸上、フェンシング、カヌー、ボート、馬術の6つの競技が描かれています。
相場価格の高い切手なのでぜひ高額で買取してもらいたいところですが、近年は外国切手を取り扱わない買取業者も増えています。
売るのであれば外国切手を扱う業者を吟味した上で事前に査定してもらうと安心です。
眠らせておくのはもったいないですので、信頼できる鑑定士にまずご相談すると良いでしょう。
文化人シリーズ 福沢諭吉(ぶんかじんしりーず ふくざわゆきち)
『学問のすすめ』で知られる福沢諭吉の切手『文化人シリーズ 福沢諭吉』。
皆さんお馴染みの1万円札の肖像そのままの絵が切手にも使われています。
1949年から1952年に発行された文化人シリーズ切手は、現在ではプレミア価格が付くものも多くコレクター垂涎の逸品となっています。
こちらの古切手も元の額面が8円であることを考えるとかなりの買取価格が期待できます。
発行年度が60年以上も前と言うことで美品が少なく、シミやシワ・焼けがない切手なら特に高い値段で買い取ってもらえます。
この古い切手が意外に価値があるという発見もあるかもしれません。
東洲斎写楽 市川蝦蔵(とうしゅうさいしゃらく いちかわえびぞう)
歌舞伎演目『恋女房染分手綱(1794年)』竹村定之進役を演じる市川蝦蔵が描かれた『東洲斎写楽 市川蝦蔵』。
写楽のと言う非常に短いものでしたが、斬新かつ大胆な作品を約140点も残しています。
東洲斎写楽は江戸時代中期に彗星のように浮世絵界に登場し、その斬新な構図とモデルの個性を見事に表現した傑作を生み出した浮世絵師です。
活動期間はわずか10ヶ月間で、突然姿を消してしまい、現在までその人物の正体は不明で「謎の浮世絵師」と呼ばれています。
この作品は、寛政6年(1794)の5月に河原崎座で上演された「恋女房染分手綱」の一場面、前半の山場の「道成寺」の主役で能師役の竹村定之進を描いたものです。
1956年の切手趣味週間に発行されたこちらの切手はコレクターの間でも人気が高く、美品であれば1枚でもなかなかの買取価格が付いています。
シートの場合はさらに相場が跳ね上がり非常に高額になることがありますので、少しでもキレイな状態での保管をしておくと良いでしょう。
[記念切手] 琉球大学開校(りゅうきゅうだいがくかいこう)
1950年に設けられました琉球大学開校の記念切手です。
切手のデザインは大城皓也氏で、アメリカ軍統治下の沖縄で使用された「琉球切手」と言われるものの一つです。
切手に描かれている琉球大学本館の背後にシルエットで描かれた首里城があるのは開校当時首里城跡に琉球大学を開校したことに由来します。
左の端に描かれた龍の柱も印象的です。
琉球大学は、以前に首里城があった場所にありましたが、同場所で首里城の復元工事が始まり、1977年~1984年にわたり現在の場所に移されました。
移動された後に、キャンパスは壊され、グラウンドは、沖縄県立美術大学に譲られる形になりました。
現在のキャンパスは
・上原キャンバス
の2つに分かれ、敷地面積は東京ドーム約27個分です。
切手買取金額はコンディションによって倍以上変わることもあるので、できるだけ高い価格で売るならば美品の状態が良いと言えるでしょう。
普段から気を使っていただくだけで切手の状態も維持できますので、保管も確認しておくのがポイントになります。