1円〜49円
葛飾北斎「山下白雨の富士」(かつしかほくさい さんかはくうのふじ)
葛飾北斎が描いた浮世絵「富嶽三十六景・山下白雨(さんかはくう)」は、切手趣味週間の第一回目の切手小型シートです。
発行日は1947年11月1日で、300万枚が発行されました。
通称「黒富士」とも呼ばれる作品で、黒雲と稲妻が富士を覆う真夏の景観を見事に表現しています。
山下白雨の特徴は、1円切手を5枚組み合わせた小型シート形式で発行され、図柄は第一次昭和切手の「新昭和切手・北斎富士」を流用しているところにあります。
発行時期によってインクの濃さに差があり、「濃青」「淡青」として区別され、価値もそれぞれ違ってきます。
実際の山下白雨は茶や黒が取り入れられた雄々しい作品となっていますが、切手では単色刷りになっているため青と白で表現されています。
切手高額買取のコツは「シミ・ヤケが無いこと」「希少価値が高いこと」が多く挙げられますが、この切手の場合はそれに加えて、上記の「濃青であること(青の色が濃いこと)」も加味されることが多いです。
もし山下白雨の富士切手をお持ちの場合は、なるべく綺麗な状態で保存するよう心掛けておくと良いでしょう。
中村岳陵「気球揚がる」(なかむらがくりょう ききゅうあがる)
オリジナルの絵画にでは、画面の上方に気球が描かれていますが、切手ではその部分はトリミングされています。
美人画切手としてこの絵画が選ばれたということでもあると思います。
どちらの女性も三代目市川左団次の娘、荒川朝子がモデルをしたそうです。
1950年の第6回日展に出品された絵画で、国立近代美術館の所蔵品です。
美品は高価な価格で買取されることもあり、保存状態で相場も振れ幅が大きいため、鑑定を求めた方がよい芸術性の高い切手です。
状態が気になる場合は今一度チェックしてみると良いでしょう。
小林古径「髪」(こばやしこけい かみ)
切手趣味週間昭和44年の発行デザインは、美しい長い髪の女性が印象的な小林古径の名画「髪」。
中国の古画に影響を受けた線画の技法が使われていて、淡い背景に力強く繊細な線で描かれています。
また、上半身裸の女性が切手に描かれたことで当時は大きな反響を起こし、注文が殺到したそうです。
奇麗な状態であれば切手を買取ってもらう場合に価値が出てくると言えますので、切手の保存状態により買取価格が大幅に変わることも頭に入れておくと良いでしょう。
慶事用 52円普通切手 扇面に梅文様(けいじよう ごじゅうにえんふつうきって おうぎめんにうめもんよう)
主に結婚式招待状の返信用ハガキに使われる切手です。
金色の扇に紅梅・白梅が描かれた華やかなデザインになっています。
「扇」や「松竹梅」などの文様は、「吉祥文様(きっしょうもんよう)」と呼ばれ、良い兆し、めでたいしるしという意味を表現した文様の総称です。
慶事用の切手は結婚式が終わると少々使いづらいため、郵便局で切手やハガキに変えてもらうか切手買取店や金券ショップで換金する人が多いようです。
郵便局で交換してもらう際でも約5円の手数料がかかってしまうため、あまり手紙を書かない人の場合は現金に変えられる買取査定に出した方がお得感がありそうです。
弔事用 52円普通切手 花文様(ちょうじよう ごじゅうにえんふつうきって はなもんよう)
仏事をとり行う際の案内はがきや喪中の寒中見舞いなどに用いる弔事用の切手です。
忌中に使用するもののため、青・白・灰の3色刷りかつ落ち着いた色味のデザインになっています。
こうしたタイプの切手は突然大量に必要になるものですが、まとめ買いしても余らせてしまうことが多いためたびたび買取市場に出てきます。
ただし額面が小さいため、バラ売りでの買取査定額にはあまり期待できません。
10枚つづりないし50枚ごとの仕分け品、シートで売る場合ですとレートも高くおすすめと言えるでしょう。
むきだしよりもきちんと保存することで、買取価格は大きく変わりますので、曲がりや色褪せなどの劣化に気を付けて保管しましょう。
昭和27年用年賀「翁の面」(しょうわにじゅうななねんようねんがおきなのめん)
相場価格 | 10,000〜49,999円 | |
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切手額面 | 5円(1円〜49円) | |
デザイン | 赤、 その他のモチーフ | |
発行年度 | 1952年(1950年代) |
翁の面が描かれた年賀切手です。
発行された日が年が明けた16日であったため年賀状の切手として使用されることはありませんでした。
20面のシートはプレミア扱いとなっています。
古い切手なので保存状態によって買取価格に幅が出る可能性もありますので、普段の丁寧な扱いが求められます。
シートは高額買取が期待できるものなので、もし売るつもりなら取り扱いと管理には気を付けましょう。
昭和27年用年賀「翁の面」小型シート 「おきなのめん」(しょうわにじゅうななねんようねんがおきなのめん)
相場価格 | 10,000〜49,999円 | |
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切手額面 | 5円(1円〜49円) | |
デザイン | 赤 | |
発行年度 | 1952年(1950年代) |
翁の面が描かれた小型シートの年賀切手です。
普通シートと小型シートの切手が存在し、切り取られた状態では見た目の区別が付きづらいですが紙の漉き目の方向で判断することができます。
カバーの状態では更に判別が難しく、普通シートの銘版付き切手であるか小型シートが発行する前の消印であれば普通シートの切手と判別することができます。
この年代に発行された年賀小型シートは高額で買取されているそうなので、業者によっては一枚からでも高い価格を付けて貰えるかもしれません。
売る売らないにかかわらず、なるべく湿気の無い場所を選んで保存し、状態を維持しておくと良いでしょう。
昭和30年用年賀「加賀起き上り」小型シート 「かがおきあがり」(しょうわさんじゅうねんようねんがかがおきあがり)
石川県の伝統工芸、加賀八幡起上りをモチーフとした小型シート切手です。
西ドイツから輸入したばかりの印刷機を使ったものです。
この切手から以後、日本の切手のは鮮やかになっていき、この時期より火がつく切手ブームを彩ることになります。
現在では切手収集が下火になっているため、相場価格を見ながら下がりきらないうちに売ってしまうのが良いかもしれません。
古い切手なので美品であれば買取する場合に高い価値が出てきますので、日頃から丁寧な扱いで保管すると良いでしょう。
昭和28年用年賀「御所人形」小型シート 「ごしょにんぎょう」(しょうわにじゅうはちねんようねんがごしょにんぎょうこがたしーと)
御所人形が描かれた小型シートの年賀切手です。
この年から年賀切手は年賀状にも使用できるようになりました。
小型シートにはこの年だけタブが2枚付いていて、カバー状態の切手を普通シートか小型シートのどちらか区別をつけるとき、タブと繋がった使用済み切手であれば小型シートの切手と判別することができます。
古い小型シートの切手であるため、保存状態により買取額に多く差が出る場合があります。
意外に買取ってもらう時に高く付く可能性もありますので、お売りになるときは信頼できる鑑定士にお願いして調べてもらうと良いでしょう。
ドイツの刺繍切手(どいつのししゅうきって)
ドイツのプラウエンという地域の伝統的なレースをモチーフとした切手です。
4種完のシリーズで、これらの切手が発行されたのは旧東ドイツの時代になります。
他のヨーロッパ諸国と比べると切手収集が下火となった日本では、外国切手だとなおさら高く買取ってもらうのは難しいようです。
刺繍切手というまとまったジャンルでもあるので、売る場合はしっかりお店選びをしないと損をしてしまう可能性もありますので、しっかりとしたお店選びがポイントになってくるでしょう。