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三代目 歌川広重「永代橋之真景」(さんだいめ うたがわひろしげ えいだいきょうのしんけい)
この年の国際文通週間記念切手には、1970年のものと同じく三代目歌川広重の作品が採用されています。
こちらの元絵は横長三面の作品となっているのですが、郵便集配人や日本郵船の船がさり気なく描かれている真ん中部分の絵を切り取って切手のデザインにしてあります。
豊かな色彩と版画ならではのくっきりとした線使いが今見てもモダンな雰囲気を感じさせますね。
古切手としての価値は元の額面に少し上乗せしたぐらいの価格になりますが、1970年・1971年・1972年の『国際文通週間・明治文明開化期の錦絵シリーズ』三種が揃っている場合は買取額が大幅にアップすることがあります。
組み合わせや消印によって相場が大きく変わってくるのも古切手買い取りの醍醐味です。
いざ調べてみたら、とても価値のあるという切手という可能性があるのも楽しみなひとつですね。
葛飾北斎「山下白雨の富士」(かつしかほくさい さんかはくうのふじ)
葛飾北斎が描いた浮世絵「富嶽三十六景・山下白雨(さんかはくう)」は、切手趣味週間の第一回目の切手小型シートです。
発行日は1947年11月1日で、300万枚が発行されました。
通称「黒富士」とも呼ばれる作品で、黒雲と稲妻が富士を覆う真夏の景観を見事に表現しています。
山下白雨の特徴は、1円切手を5枚組み合わせた小型シート形式で発行され、図柄は第一次昭和切手の「新昭和切手・北斎富士」を流用しているところにあります。
発行時期によってインクの濃さに差があり、「濃青」「淡青」として区別され、価値もそれぞれ違ってきます。
実際の山下白雨は茶や黒が取り入れられた雄々しい作品となっていますが、切手では単色刷りになっているため青と白で表現されています。
切手高額買取のコツは「シミ・ヤケが無いこと」「希少価値が高いこと」が多く挙げられますが、この切手の場合はそれに加えて、上記の「濃青であること(青の色が濃いこと)」も加味されることが多いです。
もし山下白雨の富士切手をお持ちの場合は、なるべく綺麗な状態で保存するよう心掛けておくと良いでしょう。
中村岳陵「気球揚がる」(なかむらがくりょう ききゅうあがる)
オリジナルの絵画にでは、画面の上方に気球が描かれていますが、切手ではその部分はトリミングされています。
美人画切手としてこの絵画が選ばれたということでもあると思います。
どちらの女性も三代目市川左団次の娘、荒川朝子がモデルをしたそうです。
1950年の第6回日展に出品された絵画で、国立近代美術館の所蔵品です。
美品は高価な価格で買取されることもあり、保存状態で相場も振れ幅が大きいため、鑑定を求めた方がよい芸術性の高い切手です。
状態が気になる場合は今一度チェックしてみると良いでしょう。
小林古径「髪」(こばやしこけい かみ)
切手趣味週間昭和44年の発行デザインは、美しい長い髪の女性が印象的な小林古径の名画「髪」。
中国の古画に影響を受けた線画の技法が使われていて、淡い背景に力強く繊細な線で描かれています。
また、上半身裸の女性が切手に描かれたことで当時は大きな反響を起こし、注文が殺到したそうです。
奇麗な状態であれば切手を買取ってもらう場合に価値が出てくると言えますので、切手の保存状態により買取価格が大幅に変わることも頭に入れておくと良いでしょう。
慶事用 92円普通切手 扇面に松文様(けいじよう きゅうじゅうにえんふつうきって おうぎめんにまつもんよう)
金額ごとに松・竹・梅と分かれている慶事用切手の中でも最高額面のものです。
結婚式の招待状は用紙の重さの関係で、82円ではなくこちらの92円切手が用いられることも多くあります。
金地の扇に描かれた赤と青の松文様が高級感を感じさせますね。
招待状を送る際にはかなりの枚数の慶事用切手を購入することになりますが、招待客の増減によって余らせてしまうことも多いかと思います。
日常生活では使い処がなかなか無いものなので式後に買い取ってもらえば、お小遣いにもなって一石二鳥。
シミや汚れ等の保管状態や、枚数が揃っているかで買取してもらう時の値段も大きく変わりますので、気を付けましょう。
弔事用 52円普通切手 花文様(ちょうじよう ごじゅうにえんふつうきって はなもんよう)
仏事をとり行う際の案内はがきや喪中の寒中見舞いなどに用いる弔事用の切手です。
忌中に使用するもののため、青・白・灰の3色刷りかつ落ち着いた色味のデザインになっています。
こうしたタイプの切手は突然大量に必要になるものですが、まとめ買いしても余らせてしまうことが多いためたびたび買取市場に出てきます。
ただし額面が小さいため、バラ売りでの買取査定額にはあまり期待できません。
10枚つづりないし50枚ごとの仕分け品、シートで売る場合ですとレートも高くおすすめと言えるでしょう。
むきだしよりもきちんと保存することで、買取価格は大きく変わりますので、曲がりや色褪せなどの劣化に気を付けて保管しましょう。
ドイツの刺繍切手(どいつのししゅうきって)
ドイツのプラウエンという地域の伝統的なレースをモチーフとした切手です。
4種完のシリーズで、これらの切手が発行されたのは旧東ドイツの時代になります。
他のヨーロッパ諸国と比べると切手収集が下火となった日本では、外国切手だとなおさら高く買取ってもらうのは難しいようです。
刺繍切手というまとまったジャンルでもあるので、売る場合はしっかりお店選びをしないと損をしてしまう可能性もありますので、しっかりとしたお店選びがポイントになってくるでしょう。
セントキッツ クリスマス/絵画4種(せんときっつ くりすます/かいが4しゅ)
相場価格 | 1〜499円 | |
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切手額面 | 30¢(セント) $2.25(ドル) $3.50(ドル) $5(ドル)(1円〜49円、 50円〜99円、 100円〜499円) | |
デザイン | 赤、 青、 人物、 その他のモチーフ | |
発行年度 | 2015年(2010年代) |
セントキッツとはカリブ海にある島々の一つ。
その島で独自に発行された切手は世界の切手収集家にも注目されています。
セントキッツではクリスマスの切手シリーズとしてキリスト教色の強い絵画をモチーフにした切手を4種セットを度々発行しています。
画像のものは2015年に発行された切手で、4種全てラファエロ作の聖母子画を題材にしています。
日本でこれらの切手を買取ってくれる業者はそう多くはないようです。
いずれ売ることを考慮して保管するのであれば、湿気の無い場所を選んで保存し、シミや日焼け等の劣化を防ぐように扱うことが大事です。
エストニア クリスマス切手(えすとにあ くりすますきって)
バルト三国の一つエストニアのクリスマスの切手。
同年にラトビア、リトアニアでもクリスマス切手が発行されているので見比べてみるのも面白いかもしれません。
クリスマスに関する切手は欧米各国にて多くの種類が発行されています。
日本ではこういった海外の切手を取り扱わない買取業者が増えているようです。
外国切手の販売店ではクリスマス切手を一つのジャンルとして扱うこともあります。
切手買取店によって買取条件が違ってきますので、そういった需要も見越して相場価格をチェックし、買取してもらうまでの切手の保管も充分気をつけたいところです。
ブルガリアのクリスマス切手(ぶるがりあのくりすますきって)
ブルガリアで発行された2枚セットのクリスマス切手。
ブルガリアの伝統的な柄の織物の上にクリスマスの伝統的なパン「ポガーチャ」を乗せた絵図をモチーフとしてます。
ブルガリアでは毎年クリスマスの切手を発行しています。
数ある外国切手の中からプレミア切手を見極めるのは難しいこともあり、外国切手を扱わない買取業者もあります。
未使用品を外国切手を扱うところに売るならば、美品であることが第一条件となり、切手の状態にも注意が必要です。