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第一次国宝シリーズ「広隆寺弥勒菩薩」(だいいちじこくほうしりーず こうりゅうじみろくぼさつ)
京都最古の寺院、広隆寺に収められている『木造弥勒菩薩半跏像(宝冠弥勒)』。
国内で初めて国宝に指定された彫刻で、口元に笑みをたたえながら物思いにふける様子が非常に神秘的に表現されている作品です。
『国宝シリーズ』と呼ばれる切手はそれまでにも多種ありましたが、鮮やかな多色刷りが採用されたのはこの第一次国宝シリーズが初めて。
日本が誇る芸術品の数々を色彩豊かに表した切手は収集家からの人気も高く所持している人も多めです。
そのため買取査定額も少々厳しくなっており、軽微なシミやヒンジ跡なども価値に影響するので、買い取りの前に入念なチェックをしておくことも高額買取アップのコツともいえます。
第一次国宝シリーズ「法隆寺」(だいいちじこくほうしりーず ほうりゅうじ)
世界最古の木造建築である法隆寺を取り上げた切手『第一次国宝シリーズ 法隆寺』。
青空を背景に五重塔と法隆寺金堂が並ぶ、少し珍しい構図の切手になっています。
50円と言う額面のこともあり同シリーズの切手の中では発行部数が比較的少なかったため、他に比べて買取価格がすこし高くなっています。
とは言っても汚れや破れがある並品の場合は相場が大幅に下がってしまうので、少しでも高く売りたい場合はそうした劣化を避ける保管が重要です。
普段のお手入れ次第でキレイな状態に保つことができますので、今日から是非実行してみてください。
文化人切手「野口 英世」(ぶんかじんきって のぐちひでよ)
現行千円札でもお馴染みの野口英世の肖像が描かれた切手『文化人シリーズ 野口英世』。
さて、一見非常に地味でポピュラーに見えるこちらの古切手ですが、実は全十八種類発行されていた文化人シリーズ切手の中でも特にプレミア価格が付いている逸品です。
と言うのも同シリーズの中で野口英世の切手のみに「第一種版」と「第二種版」が存在するから。
第一種版の買取相場はそこそこですが、第二種版は発行部数が少なかったこともあり非常に高額の買い取り価格がついています。
第一種版/第二種版の判断は右下端印刷線の段差の有無によりつけられます。
一次文化人切手シリーズは1949年~1952年に発行された文化人切手の事を指し、野口英世や夏目漱石など有名な文化人が図案となった切手シリーズです。
もちろん美品か並品かでも買い取ってもらえる値段は大きく変わってきますので、売る前には入念な確認をして、切手買取業者へ査定依頼をするのがオススメです。
文化人切手「夏目 漱石」(ぶんかじんきって なつめそうせき)
『坊っちゃん』『こころ』『吾輩は猫である』など数多くの傑作を残した夏目漱石の肖像が描かれた『文化人シリーズ 夏目漱石』。
誰もが知る著名な文豪と言うことで切手収集家からの人気も非常に高くなっています。
買い取り価格については、美品/並品かで非常に大きく変わってくるので保管には細心の注意を払うことをおすすめします。
また同シリーズ全十八種の切手が全てそろっている場合は、平均買取額を大幅に上回る値段で売れる場合があります。
鑑定士が在籍する切手買取専門店での査定が望ましいでしょう。
葛飾北斎「富嶽三十六景 甲州三島越」(ふがくさんじゅうろっけい こうしゅうみしまごえ)
男性数人が手を繋いでかかっても一周できないほどの巨木と、奥に悠然と構える富士が描かれた『富嶽三十六景 甲州三島越』。
木を画面からはみ出させる一風変わった構図で自然における人間の小ささがより強調され、非常に面白い作品に仕上がっています。
1963年から始まる、国際文通週間の葛飾北斎シリーズはこれで一区切り。
シリーズ最後の作品らしい心憎いチョイスとなっています。
この切手の買取価格相場は額面+αと言ったところ。ただし珍しい消印が押されているものなどはこの限りではなく、買取店に持っていったところ非常に高い価格で売れたと言うことがあります。
古切手を売る際には、消印の有無・希少性などもチェックしてみると自身も気づかなかったプレミアが付く切手が紛れていた、なんていうこともありますので一度ご相談してみると良いでしょう。
三代目 歌川広重「 駅逓寮図」(さんだいめ うたがわひろしげ えきていりょうず)
三代目歌川広重が描いた東京府下名所尽の一枚『四日市駅逓寮』の切手。
現日本橋一丁目にあたる四日市町には「駅逓寮」と呼ばれる今で言う郵便局がありました。
奥には第一国立銀行が建っており、東京を中心に急速に拡大していった文明開化の様子が見て取れる作品となっています。
この切手の価値についてですが、古切手の中では比較的ポピュラーかつ新しい部類に入るもののため買取額は一般的な価格になっています。
湿気の無い場所を選んで保存する等の保存状態に細心の注意をすれば、買い取り査定額に違いが出てくるので、丁寧な保管が高額買い取りのポイントです。
三代目 歌川広重「永代橋之真景」(さんだいめ うたがわひろしげ えいだいきょうのしんけい)
この年の国際文通週間記念切手には、1970年のものと同じく三代目歌川広重の作品が採用されています。
こちらの元絵は横長三面の作品となっているのですが、郵便集配人や日本郵船の船がさり気なく描かれている真ん中部分の絵を切り取って切手のデザインにしてあります。
豊かな色彩と版画ならではのくっきりとした線使いが今見てもモダンな雰囲気を感じさせますね。
古切手としての価値は元の額面に少し上乗せしたぐらいの価格になりますが、1970年・1971年・1972年の『国際文通週間・明治文明開化期の錦絵シリーズ』三種が揃っている場合は買取額が大幅にアップすることがあります。
組み合わせや消印によって相場が大きく変わってくるのも古切手買い取りの醍醐味です。
いざ調べてみたら、とても価値のあるという切手という可能性があるのも楽しみなひとつですね。
「舞妓図屏風」(まいこずびょうぶ)
1961年の切手趣味週間に発行された『舞妓図屏風』の切手。
舞妓図屏風は六曲屏風の各扇に舞妓が一人ずつ描かれており、切手にはその中の一曲が採用されました。
赤い着物を身にまとい髪をおろして扇舞を踊る舞妓の姿は初々しくも艶やかに見えますね。
50年以上前の古切手ですが、買取価格は20円から70円とまずまず。
ただしオークションなどでも多く出回っていてコレクターの目も肥えているため、売りたい際は保管方法にくれぐれもご注意ください。
古い切手は丁寧な扱いが求められますので、キレイな状態をキープしておきたいですね。
「賀茂競馬図屏風」(かもけいばずびょうぶ)
午年にちなんで2002年に発行された『賀茂競馬図屏風』の切手です。
六曲屏風の中の主題である二曲を切り取ったものになっています。
また偽造防止のために開発された技術である『メタリックイメージ』が初めて採用された切手でもあり、角度を変えて見ることにより透かし文字が浮かび上がります。
この切手の相場は基本的には2枚1セットで算出されることが多く、一片のみを買い取りに出される方は少なめ。
切手10枚分の1シートとは言わないまでも、左右の絵柄をセットで買い取ってもらった方が査定額は高くなるでしょう。
もちろん保管方法も大事で、なるべく湿気の無い場所を選んで保存するようにしてください。
葛飾北斎「山下白雨の富士」(かつしかほくさい さんかはくうのふじ)
葛飾北斎が描いた浮世絵「富嶽三十六景・山下白雨(さんかはくう)」は、切手趣味週間の第一回目の切手小型シートです。
発行日は1947年11月1日で、300万枚が発行されました。
通称「黒富士」とも呼ばれる作品で、黒雲と稲妻が富士を覆う真夏の景観を見事に表現しています。
山下白雨の特徴は、1円切手を5枚組み合わせた小型シート形式で発行され、図柄は第一次昭和切手の「新昭和切手・北斎富士」を流用しているところにあります。
発行時期によってインクの濃さに差があり、「濃青」「淡青」として区別され、価値もそれぞれ違ってきます。
実際の山下白雨は茶や黒が取り入れられた雄々しい作品となっていますが、切手では単色刷りになっているため青と白で表現されています。
切手高額買取のコツは「シミ・ヤケが無いこと」「希少価値が高いこと」が多く挙げられますが、この切手の場合はそれに加えて、上記の「濃青であること(青の色が濃いこと)」も加味されることが多いです。
もし山下白雨の富士切手をお持ちの場合は、なるべく綺麗な状態で保存するよう心掛けておくと良いでしょう。