1〜499円
葛飾北斎「富嶽三十六景 尾州不二見原」(かつしかほくさい ふがくさんじゅうろっけい びしゅうふじみがはら)
現在の名古屋にあたる富士見ヶ原をモデルにしたと思われる『富嶽三十六景 尾州不二見原』。
樽職人が大樽を作っている様子が描かれており、その樽枠の向こうに富士が見えると言う非常にユニークな構図となっています。
富嶽三十六景には必ず富士山がモチーフとして描かれていますが、こうした北斎らしい柔軟でパロディ要素に富んだ仕掛けが随所に見られます。
2002年に同作品を採用した切手が新たに販売されたためか、少しでも経年劣化や破れがあると切手の買い取り額に大きな影響を及ぼします。
こちらの切手を売りたい場合は保管状態に気をつけて、売る場合もしっかりお店選びをして出来る限り美品の状態での買取を目指しましょう。
葛飾北斎「富嶽三十六景 甲州三島越」(ふがくさんじゅうろっけい こうしゅうみしまごえ)
男性数人が手を繋いでかかっても一周できないほどの巨木と、奥に悠然と構える富士が描かれた『富嶽三十六景 甲州三島越』。
木を画面からはみ出させる一風変わった構図で自然における人間の小ささがより強調され、非常に面白い作品に仕上がっています。
1963年から始まる、国際文通週間の葛飾北斎シリーズはこれで一区切り。
シリーズ最後の作品らしい心憎いチョイスとなっています。
この切手の買取価格相場は額面+αと言ったところ。ただし珍しい消印が押されているものなどはこの限りではなく、買取店に持っていったところ非常に高い価格で売れたと言うことがあります。
古切手を売る際には、消印の有無・希少性などもチェックしてみると自身も気づかなかったプレミアが付く切手が紛れていた、なんていうこともありますので一度ご相談してみると良いでしょう。
三代目 歌川広重「 駅逓寮図」(さんだいめ うたがわひろしげ えきていりょうず)
三代目歌川広重が描いた東京府下名所尽の一枚『四日市駅逓寮』の切手。
現日本橋一丁目にあたる四日市町には「駅逓寮」と呼ばれる今で言う郵便局がありました。
奥には第一国立銀行が建っており、東京を中心に急速に拡大していった文明開化の様子が見て取れる作品となっています。
この切手の価値についてですが、古切手の中では比較的ポピュラーかつ新しい部類に入るもののため買取額は一般的な価格になっています。
湿気の無い場所を選んで保存する等の保存状態に細心の注意をすれば、買い取り査定額に違いが出てくるので、丁寧な保管が高額買い取りのポイントです。
歌川芳邨 「東京鉄道馬車図」(うたがわよしむら とうきょうてつどうばしゃず)
1971年の国際文通週間記念切手に取り上げられたのは伊藤芳邨(歌川芳邨)が手がけた錦絵『東京鉄道馬車図』。
日本初の私鉄と呼ばれた東京馬車鉄道が都を走る様子が詳細に描かれています。
1970年から1972年までの3年間は「明治文明開化機の錦絵」をテーマにモダンな版画画が切手絵に使用されてきました。
こちらの切手を買い取ってもらう際は、美品であることが一番、次にシートであることもしくは他の種類の切手と一緒に買取査定に出すことが、高額買取のコツのひとつと言えるでしょう。
三代目 歌川広重「永代橋之真景」(さんだいめ うたがわひろしげ えいだいきょうのしんけい)
この年の国際文通週間記念切手には、1970年のものと同じく三代目歌川広重の作品が採用されています。
こちらの元絵は横長三面の作品となっているのですが、郵便集配人や日本郵船の船がさり気なく描かれている真ん中部分の絵を切り取って切手のデザインにしてあります。
豊かな色彩と版画ならではのくっきりとした線使いが今見てもモダンな雰囲気を感じさせますね。
古切手としての価値は元の額面に少し上乗せしたぐらいの価格になりますが、1970年・1971年・1972年の『国際文通週間・明治文明開化期の錦絵シリーズ』三種が揃っている場合は買取額が大幅にアップすることがあります。
組み合わせや消印によって相場が大きく変わってくるのも古切手買い取りの醍醐味です。
いざ調べてみたら、とても価値のあるという切手という可能性があるのも楽しみなひとつですね。
「舞妓図屏風」(まいこずびょうぶ)
1961年の切手趣味週間に発行された『舞妓図屏風』の切手。
舞妓図屏風は六曲屏風の各扇に舞妓が一人ずつ描かれており、切手にはその中の一曲が採用されました。
赤い着物を身にまとい髪をおろして扇舞を踊る舞妓の姿は初々しくも艶やかに見えますね。
50年以上前の古切手ですが、買取価格は20円から70円とまずまず。
ただしオークションなどでも多く出回っていてコレクターの目も肥えているため、売りたい際は保管方法にくれぐれもご注意ください。
古い切手は丁寧な扱いが求められますので、キレイな状態をキープしておきたいですね。
「賀茂競馬図屏風」(かもけいばずびょうぶ)
午年にちなんで2002年に発行された『賀茂競馬図屏風』の切手です。
六曲屏風の中の主題である二曲を切り取ったものになっています。
また偽造防止のために開発された技術である『メタリックイメージ』が初めて採用された切手でもあり、角度を変えて見ることにより透かし文字が浮かび上がります。
この切手の相場は基本的には2枚1セットで算出されることが多く、一片のみを買い取りに出される方は少なめ。
切手10枚分の1シートとは言わないまでも、左右の絵柄をセットで買い取ってもらった方が査定額は高くなるでしょう。
もちろん保管方法も大事で、なるべく湿気の無い場所を選んで保存するようにしてください。
葛飾北斎「山下白雨の富士」(かつしかほくさい さんかはくうのふじ)
葛飾北斎が描いた浮世絵「富嶽三十六景・山下白雨(さんかはくう)」は、切手趣味週間の第一回目の切手小型シートです。
発行日は1947年11月1日で、300万枚が発行されました。
通称「黒富士」とも呼ばれる作品で、黒雲と稲妻が富士を覆う真夏の景観を見事に表現しています。
山下白雨の特徴は、1円切手を5枚組み合わせた小型シート形式で発行され、図柄は第一次昭和切手の「新昭和切手・北斎富士」を流用しているところにあります。
発行時期によってインクの濃さに差があり、「濃青」「淡青」として区別され、価値もそれぞれ違ってきます。
実際の山下白雨は茶や黒が取り入れられた雄々しい作品となっていますが、切手では単色刷りになっているため青と白で表現されています。
切手高額買取のコツは「シミ・ヤケが無いこと」「希少価値が高いこと」が多く挙げられますが、この切手の場合はそれに加えて、上記の「濃青であること(青の色が濃いこと)」も加味されることが多いです。
もし山下白雨の富士切手をお持ちの場合は、なるべく綺麗な状態で保存するよう心掛けておくと良いでしょう。
中村岳陵「気球揚がる」(なかむらがくりょう ききゅうあがる)
オリジナルの絵画にでは、画面の上方に気球が描かれていますが、切手ではその部分はトリミングされています。
美人画切手としてこの絵画が選ばれたということでもあると思います。
どちらの女性も三代目市川左団次の娘、荒川朝子がモデルをしたそうです。
1950年の第6回日展に出品された絵画で、国立近代美術館の所蔵品です。
美品は高価な価格で買取されることもあり、保存状態で相場も振れ幅が大きいため、鑑定を求めた方がよい芸術性の高い切手です。
状態が気になる場合は今一度チェックしてみると良いでしょう。