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鈴木春信「まりつき」(すずきはるのぶ まりつき)
江戸時代中期に美人画の浮世絵で活躍した鈴木春信の「まりつき」が描かれており、1947年から現在まで毎年発行されている切手趣味週間の中では7番目にあたる切手です。
鈴木春信は、美人画や役者絵を描いていましたが、錦絵創始の仕事について41歳の時に木版多色刷の浮世絵画(錦絵)を考案したことで知られています。
「夢幻的美人画の創始者」とも呼ばれ、中版(約28cm×20cm)と呼ばれる正方形に近い画面を愛用し、独特の可憐、きゃしゃな人物像をあみだしました。
また「見立て」の趣向を積極的に採用し、叙情的な画面をつくり出しました。
今から60年前の1957年に850万枚発行されましたが、収集価値が高く額面の数倍から数十倍もの価格で取引されることもある切手です。
このような切手は特に保存状況で大きく価値が変動するので、専門家に一度みてもらうことが正しい価値を知る最良の方法といえるでしょう。
[記念切手] 琉球政府創立(りゅうきゅうせいふそうりつ)
米軍統治下から琉球政府となった時代に作られた琉球政府創立の記念切手です。
琉球列島の上に双葉と羽ばたく鳥が描かれた、平和を象徴するデザインとなっています。
琉球切手は発行年度によって高額買取されていることもあるので事前に調べておくことが重要です。
1948年7月1日から、独自デザインと「琉球郵便」表示による切手が発行され、1951年に4つの群島政府がまとめられて琉球臨時政府ができると、郵便事業をまとめる琉球郵政庁がつくられました。
1952年4月1日に琉球政府が成立し、郵便は琉球政府の管轄になり、その後は「琉球郵便」の文字の入った琉球切手が発行されるようになりました。
沖縄独自の文化を反映したデザインなので、人気が高まり外貨獲得にも大きな功績を残しましたが、沖縄県の復帰にともなって1972年6月3日で使用が停止されました。
この時までの沖縄切手は259種にもなります。
この切手の場合、未使用美品であれば1万円近い値が付くようです。
米軍統治時代に発行された切手の中でも比較的高額で買取ってもらえる物の一つと言えます。
お手持ちの切手がどれくらいの価値があるのか知りたいときは、切手買取専門店へ一度は相談してみる事をおすすめします。
東京版「浅草雷門」(とうきょうばん あさくさかみなりもん)
日本画家である長谷川誠によってデザインされた切手です。
海外の人にも人気の高い浅草といえばの雷門であり、日本好きのコレクターが集める一品です。
120万シートと枚数は多いですが、人気がある切手のため価値が少しずつ上昇しています。
発行から20年も経っていシミやヤケがない綺麗な状態のものは専門家による査定により高い価値がつく場合があります。
今後価値が上昇する可能性のある切手なので持っておいて損はないかもしれません。
お持ちの切手を普段から気を使うことで、きれいな状態に保つことができますので、保存状態を確認しておくと良いでしょう。
夏のグリーティング(なつのぐりーてぃんぐ)
ハローキティ、マイメロディ、ポムポムプリンといったサンリオキャラクターがたくさんデザインされたグリーティング切手。
小さな子が手紙のやり取りを楽しめるようにシール式のかわいい切手になっています。
切手デザイナーの中丸ひとみによってデザインされており、全国の郵便局などで250万シート発行されています。
キャラクターものなのでコレクターには人気があります。
将来価値が高まる可能性があるので、しっかりとした保管など努力をすることが高額査定のコツになります。
2007 干支文字「亥」(えともじ「いのしし」)
2004年から発行されている第3段の干支文字シリーズ、背景に森一鳳筆「猪図」の右図が描かれ、様々な書体の干支文字「戌」がデザインされています。
今回はフランスのカルトール社による印刷で、前回までの干支文字シリーズとは色数や細部に異なった趣向が凝らされています。
この切手も全国で100万シートと多数発行されていますが、シリーズとしての価値が見込まれるので、シミやシワに気を付け綺麗な状態で保管しておくことが、高額買取へ向けた最良の方法です。
日韓通信合同(にっかんつうしんごうどう)
戦前の1905年、日本が『大日本帝国』と呼ばれていた頃の切手です。
当時大韓帝国が自国運営していた郵便事業を日本が接収した際に『日韓通信業務合同記念』としてこの切手が発行されました。
発行されたもののうち半数以上が清国(中国)・台湾・韓国に渡ったため、国内に残っているものは多くなく希少価値が高くなっています。
美品であれば相場はさらに跳ね上がり高価買取は必至なので、ご自宅に古切手が大量にあると言う方は探してみると良いかもしれません。
プレミアが付く切手が紛れている可能性もありますので、一度確認してみると良いでしょう。
歌川広重 「東海道五十三次 京師」(うたがわひろしげ とうかいどうごじゅうさんつぎ けいし)
東海道五十三次の「京師」は、国際文通週間における初めての切手となります。
京師は最終到着地の京都の風景を描いたもので、その美しい図柄から、日本の切手が世界各国から注目されるきっかけにもなっています。
東海道五十三次の切手は国内における知名度も非常に高く、価値が高いプレミア切手としても有名。
取価格は大体額面から、シートであれば1000円程の買取価格が見込めるでしょう。
東海道五十三次シリーズの切手をお持ちであれば、専門業者にどれくらいの価値があるかを確認してみると良いでしょう。
三代目 歌川広重「 駅逓寮図」(さんだいめ うたがわひろしげ えきていりょうず)
三代目歌川広重が描いた東京府下名所尽の一枚『四日市駅逓寮』の切手。
現日本橋一丁目にあたる四日市町には「駅逓寮」と呼ばれる今で言う郵便局がありました。
奥には第一国立銀行が建っており、東京を中心に急速に拡大していった文明開化の様子が見て取れる作品となっています。
この切手の価値についてですが、古切手の中では比較的ポピュラーかつ新しい部類に入るもののため買取額は一般的な価格になっています。
湿気の無い場所を選んで保存する等の保存状態に細心の注意をすれば、買い取り査定額に違いが出てくるので、丁寧な保管が高額買い取りのポイントです。
歌川芳邨 「東京鉄道馬車図」(うたがわよしむら とうきょうてつどうばしゃず)
1971年の国際文通週間記念切手に取り上げられたのは伊藤芳邨(歌川芳邨)が手がけた錦絵『東京鉄道馬車図』。
日本初の私鉄と呼ばれた東京馬車鉄道が都を走る様子が詳細に描かれています。
1970年から1972年までの3年間は「明治文明開化機の錦絵」をテーマにモダンな版画画が切手絵に使用されてきました。
こちらの切手を買い取ってもらう際は、美品であることが一番、次にシートであることもしくは他の種類の切手と一緒に買取査定に出すことが、高額買取のコツのひとつと言えるでしょう。
三代目 歌川広重「永代橋之真景」(さんだいめ うたがわひろしげ えいだいきょうのしんけい)
この年の国際文通週間記念切手には、1970年のものと同じく三代目歌川広重の作品が採用されています。
こちらの元絵は横長三面の作品となっているのですが、郵便集配人や日本郵船の船がさり気なく描かれている真ん中部分の絵を切り取って切手のデザインにしてあります。
豊かな色彩と版画ならではのくっきりとした線使いが今見てもモダンな雰囲気を感じさせますね。
古切手としての価値は元の額面に少し上乗せしたぐらいの価格になりますが、1970年・1971年・1972年の『国際文通週間・明治文明開化期の錦絵シリーズ』三種が揃っている場合は買取額が大幅にアップすることがあります。
組み合わせや消印によって相場が大きく変わってくるのも古切手買い取りの醍醐味です。
いざ調べてみたら、とても価値のあるという切手という可能性があるのも楽しみなひとつですね。